0014: 論証グラフのエッジ生成はLLMに委ねず本人が担う(0011の生成LLM層を撤回)
背景
0011はハイパーグラフ抽出を2層に分けた: ノード候補抽出・埋め込み・統計は LLMフリー層、仮説間の支持/反証/導出という論証グラフのエッジ生成だけは 「ここだけがLLM必須」として生成LLM層(gpt-5.5、将来はローカル生成モデルへの 蒸留FT)に置いていた。
この切り分けはインフラ上の実務的な線(できる/できない)であり、本人にとって の価値の線(渡していい/渡したくない)とは別軸だった。論証(なぜこの文献が この仮説を支持/反証するかという理由づけ)は、法×精神医学×心理×哲学×クィア 研究という個人の思想を拡張する営みの核であり、これをLLM(自前ローカル モデルの蒸留FTであっても)に生成させることは、「タイピングと思考だけは 止めない」という本人の立場と矛盾する。
技術面でも、0011実測(Nemotron-Nano-9B-v2-Japanese、2026-07-12)は蒸留FT 路線の精度上の弱さを既に示していた: GBNF文法制約で構造は出せても 過少抽出(gpt-5.5数十エッジに対し1エッジ)・意味誤り(相関を因果と誤ラベル) が発生した。したがって本決定は「精度が足りないから撤回する」のではなく、 「精度が上がったとしても採用しない」という立場の転換である。
決定
1. エッジ(論証)は必ず本人が書く
支持/反証/導出のラベル付けとその根拠テキストは、生成AI(外部LLM・自前 ローカル生成モデルを問わず)に生成させない。0011の「生成LLM層」節 (gpt-5.5による直接生成、および蒸留FTによるローカル生成モデル育成の ロードマップ、決定2〜4)は撤回する。0011のLLMフリー層(ノード候補抽出・ bge-m3埋め込み・共起統計・encoder分類)はそのまま維持・強化する。
2. 機械の役割は「候補提示」に限定する
- 引用ネットワーク近接度(
scripts/citation-network.py、OpenAlex経由、 LLM不使用) - 埋め込み類似度(bge-m3、ガレリア
:9090統合エンドポイント) - 共起統計・KWIC(
scripts/corpus-vocab-rank.py、及びコンコーダンス型の 用語索引)
これらでランキングした候補ペア(論文×仮説、仮説×仮説)を提示するところ までを機械が担い、採否判断・ラベル・根拠記述は本人が行う。「機械が候補を 絞り込み、人間が判断してメモを残す」——コンコーダンス/KWIC型ワークフロー (本会話で確認した手法名)をハイパーグラフのエッジ生成にもそのまま適用する。
3. 定量判断は暗算に頼らず実装する
数学的計算力の弱さは実装で補う。近接度スコア・統計的閾値・クラスタリング 等の定量判断は、勘や暗算ではなく必ずコード(主にR)として実装し、数値で 出す。R+Quarto基盤は0007で既に vpsへ導入済み(R 4.5.3, Quarto 1.9.38, knowledge/research/main-research/ のディレクトリ規約あり)——新規導入は不要。0007のスコープを「仮説の統計的 検証」から「文献データ全般の統計処理・大規模データ処理」へ拡張する。
4. R処理対象の明確化
本会話で確認した~/knowledge/配下の資産を含め、大規模データはRで 機械的に処理できる(新規インストール不要、実機確認済み):
- xlsx →
readxl - jsonl →
jsonlite(jparacrawl-v3等の大規模ファイルはチャンク処理) - zip →
utils::unzip() - CSV →
readr - 辞書XML(JMdict等) →
xml2(内部DTD実体参照の展開に注意) - SQLite(wnjpn.db等) →
RSQLite
論文本文の統計的解析(主張の定量的検証、方法論比較、数値データの抽出・ 集計)も同じ原則で進める——LLMによる要約・解釈を経由せず、Rで機械的に 処理し、解釈は本人が行う。
却下した代替案
- 0011の蒸留FT路線を継続する(ローカル生成モデルでエッジ生成の精度を 上げ、LLM依存を段階的に弱める): 精度が仮に将来上がったとしても、エッジ 生成自体をAI(自前ローカルモデルであっても)に委ねることが「論証は本人が 握る」という本決定の原則と矛盾するため不採用。
未決定事項
- 候補提示・本人判断・根拠記述のワークフローをどこで行うか (
knowledge/research/main-research/analyses/*.qmdに統合するか、 別途候補キュー的な形式を作るか)。
追記: 役割分担の確定(2026-07-21)
- 候補ランキングは生成AIの範疇に入らない。 引用ネットワーク近接度・ 埋め込み類似度・共起統計によるスコアリングは決定2で述べた通り機械的な 数値計算であり、LLMは一切関与しない。これを確認事項として明記する。
- Python/Rの役割分担を確定する。
citation-network.py/corpus-vocab-rank.py等の候補抽出・スコアリングは自動化・スクリプト側 (バックエンド、無人実行)に置く。R(+Quarto、0007)は本人が対話的に 操作する解析レイヤーとして位置づけ、候補抽出結果を受け取って本人が 採否・ラベル・根拠を判断・記述する場として使う。RはPythonの置き換えでは なく、「本人が自分の手で叩く」ための道具として本人が新規に習得する対象 (study/配下の英語学習ノートと同型の、自己学習が要る領域)。